ゆら ゆら
優しさ という名の蔑み
親切 という名の干渉
18であの狭い町を出て、もう五年。
未だに思い出すと胸の奥が、焦燥とも痛みともつかぬモノがチリリと疼く。
私のせいじゃないのに…
何度も、何度も、繰り返した思い。
私が高1の時に、母がパート先のスーパーの店長とデキテしまい出奔した。
それだけでも、一大スキャンダルだったのに、入り婿だった店長の奥さんとその親に責め立てられ、父がすっかりココロを壊してしまった。
仕事先でも不注意が続き、ついにはリストラされ…
冬の朝
シャッターを閉めきった車庫の中で、車のエンジンをかけたまま眠っていた。
そう 眠っていた。
ただ
その目は二度と開かなかった。