ゆら ゆら
隣町の高校に通っていたが、そこにも居場所はなかった。
店長の娘が1学年上にいたことを知ったのは、母がいなくなってすぐの頃。
小柄な巻き髪の可愛らしい人。
いつも沢山の友人に囲まれた華やかなその人が、ツカツカと歩み寄ってきた。
「泥棒猫の娘…
ウチはあんたの母親のせいでメチャクチャよ」
憎しみを燐光のように全身から滲ませ、唸るように低く言う。
廊下の隅で小さくうつ向き、唇を噛む。
私のせいじゃないのに、私のせいじゃないのに…
あんたのお父さんのせいで、家だってメチャクチャだよ!とは返せなかった。
今なら、どっちが被害者でも加害者でもないと言えるが、その時は父と二人で罵倒され怯えて暮らしていたんだ。
そんな母親の娘だから、お前も尻軽なんだろう…と謂れのない言い掛かりをつけられ
レイプされた。