あたしとあいつ






いよいよリレーが始まる。








「杏奈、頑張るよ。」






「うん。だって3人が特訓してくれたんだもん。」







「頑張ってね和泉。」








「和泉、負けたら承知しねーぞ!」







「わかってるよ!」








いよいよだ...








「よーい...」








パンッ







1番の人たちが一斉に走り出した。









どんどん自分の番に近づいてくる。









そして7番目の可鈴が来た。








「杏奈!」







バトンが渡された。







あと1人抜かさなきゃ...







あたしは何も考えずにただ、がむしゃらに走った。









そしてゴール。








...どっちだ??








「杏奈...」






「どっちだった?」






「...」







黙りこむ可鈴。







...だめだったか...






「頑張ったね!!!」







え?







...勝ったの?







あたしが??








「和泉!おめでと。」









「よかったね。」








「みんな...あ、ありがと!!!」








みんなのおかげだよ!








すると








「和泉。」







翔大が話しかけてきた。








「何?」








「...これから『杏奈』って呼んでいい?」







ウソ...






「...杏奈?」







ドキッ







ヤバい...







「...ってか許可してないじゃん!」









「いいじゃん。...杏奈っ♪」







カァァァァァァァッ








「バ...バカ翔大!」









リレーで1位をとれただけでも幸せだったのに...









あんたがそんな事をしてくれたから余計に幸せだよ...








もしかして...あたし...







翔大の事...



















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