CROSS
「……………。」
「なぁー姉ちゃん…」
「……………。」
「悪かったよー」
「……………。」
私は今…“弟”に怒っています。
何故かって??
それは遡る事15分前───
「優磨!!着替えるから出てって!」
「は?」
は?ってえっ?待って…
「だから着替えるの!!」
「誰もお前の着替える姿みても欲情なんてしねぇっつうの」
クソ…こいつ……殺す。
「はっ?!あたしEカップなんですけど!!普通より上なんですけど!!」
「どうだか…」
「もぉ〜いいから早く出て!!」
「ったく…しゃーねぇな…」
優磨がブツブツ言いながら
出て行こうとしたその時……
あの悲劇は起こった。
あの時…ベットの上に居なければ…
「大体小学生の頃一緒に風呂入ったじゃねーかよ………うわっ!」
優磨が私のカバンに引っ掛かり…
私の方へ倒れて来る…。
「えっ…?」
ドサッ……
「いってー……お前足元にカバ──」
「…いったー…優磨が足元に見ないのがいけないんでしょー?」
「…………////」
「……って……え??」
何?この状況…
えっと…部屋を出て行け→優磨が出ようとする→優磨が躓く→私の方に倒れて来た→目を開けたら目の前優磨…。
────ガチャ!!
「姉ちゃーん母さんが……ぇ?」
あーあ…終わった……完全に。
「「あ…の…これはですねぇ…」」
「優磨テメェ…殺す」
「ちょちょちょちょちょ!!ストップストップ!!事故だから事故!!」
「俺の大事な姉ちゃんを…」
「なっ?江希(こうき)落ち着けよ!!まぢで悪気ねぇんだって!!」
【桜木江希】
S高校1年B組でバスケット部
香奈美とは全くと言っていいほど似てなく、重度のシスコン。
─────────────
「だって優磨の奴顔赤くしやがって…」
「だからって…だからって母さん達呼ぶことないでしょ?!!」
そう…あの後必死に説明をして居た私達をそっちのけに江希はお母さんを呼び…
「まぁ〜っ!!!!やっと付き合ったのね?!お母さん嬉しいわぁ〜」
となって…
「不束者の娘ですが…なにとぞよろしくお願いします…」
「ぇ…あ、はい」
「えっ?!はいってバカ!!」
「か…母さん…」
それから30分お母さんがお父さんを呼び余計面倒臭くなった。
「もぉいい!!」
「ごめんって〜…」
「ってか…ついて来ないでよ〜」
「分かった!クレープおごるから!!」
「別にいらないし…」
「じゃあ!!────」
その時…頭に誰かの腕が乗せられた。
「はーい…じゃあ香奈美連れてくから」
「はっ?テメッ!ふざけんな〜!!」
そう言って私の手を引いて行く。
その優磨の後ろ姿が…大好き。