【完】大キライなキミに片想い中。
第1章-恋する私-
私、恋してます
9月上旬の少しまだ暑いある朝―――
「涼花~……今日も大希君と喋れるかな……」
私はそんなことをぼやく。
「どーせ、あっちから話しかけてくるでしょ」
「もうっ!涼花ってば冷たいなぁ!」
「だって毎日あっちから話しかけてきてるじゃない?なにか進展があったんなら、喜んで聞くけど♪」
私、相川由愛。
現役高校1年生です!
そして小学校からの親友の佐倉涼花(さくらすずか)。
気が強くて頼りがいがあって、お姉ちゃんみたいな存在。
「もう、涼花ってばぁ………」
涼花は何らかの面白い展開がないと、話を聞いてくれない。
キーンコーン―――
「じゃ、また後でね」
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴った。
私は自分の席へ着く。
「相川」
隣から名前を呼ばれビクンと反応する。
「ひ、大希君!!!」
私の隣の席の平岡大希君。
爽やかで優しくてかっこよくて……。
喋っているだけでドキドキして…私はいつの間にか大希君が好きになっていたのです。