【完】大キライなキミに片想い中。
キーンコーン―――
6時間目を知らせるチャイムが鳴る。
「じゃ、またね♪」
涼花はスキップ混じりで自分の席に帰っていった。
私も自分の席に戻る。
「相川」
すると、大好きな彼の声が私を呼んだ。
「ひ、大希君!」
「さっきの時間、佐倉が先生に言ってたけど保健室行ってたんでしょ?大丈夫?」
私を心配そうに見つめる。
涼花、保健室に行ってたことにしたんだ……。
大希君に本当のこと言ったほうがいいかな?
でも、迷惑かかっちゃったら困るし、そういうことにしておこう!
「だ、大丈夫だよ!心配してくれてありがとう」
元気だということをわかってもらうために、思い切りの笑顔を向けた。