【完】大キライなキミに片想い中。
はぁ……それにしても雨、強いなぁ……。
止む気配もないし……。
はぁ……自分の部屋に瞬間移動できたらいいのに。
すると、歩く私を誰かが追い越した。
傘さしてないじゃん、あの人。
追い越された後、その人の後ろ姿を見て思う。
……って、あの後ろ姿…見たことあるような……。
あれってもしかして……翔希君じゃ…?
「しょ、翔希君!!」
私を追い越した人物に向かって叫ぶと、後ろを振り返った。
「……由愛?」
翔希君だとわかり、駆け寄った。
翔希君は髪の毛も服もずぶ濡れで少し寒そうにしていた。
唇の色も少し悪い。
「翔希君…っ、大丈夫!?」
「別に……何ともねぇーよ」
そう言ったけど、すごく寒そうに身震いしている。