【完】大キライなキミに片想い中。




「何ともなくないでしょ!ほら、翔希君にしたら小さいけどこれ」


着ていた上着を脱いで、翔希君の背中に掛けた。


「だ、大丈夫って言って……」


「風邪ひいたら困るでしょーがっ!家まで送ってあげるから道教えて?」


翔希君の身長に合わせて傘をさした。
相合傘になっちゃうけど……でも、翔希君が風邪ひいたら困るし。
大希君が悲しむだろうし!!


「ん……悪りぃな……。こっち……」


翔希君の指さす方に歩く。


翔希君も……素直なとこあるんだね。



「何で傘もささずに歩いてたの?」


「……傘忘れて、1人で買い物して帰ろうとしたら降ってきた」


そう、なんだ……。


「まさか、お前に助けられるとはな」


「私、結構優しいもん」


人が困ってたら助けたくなるんだもん。
いくら、翔希君でもね。
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