【完】大キライなキミに片想い中。
そのとき。
「おーい、由愛いるかー?」
聞き覚えのある声がした。
「由愛、翔希君が呼んでるじゃない」
………翔希君だ。
「あ、いたいた。ったく、お前、いるなら返事しろよな」
翔希君が教室に入ってくる。
「な、何か用?またからかいに来たの?」
「ちげぇーよ。昨日の礼言いに来ただけ」
「へ……!?」
翔希君がわざわざそんなことのために?
「んだよ、俺が礼言いに来たらおかしいのか」
「いや、違うけど……」
「まぁ、いい」
翔希君はため息を一つついた。