【完】大キライなキミに片想い中。
「今日は2人でお出かけ?」
「うん、科学館に行こうと思って」
「へぇ~そうなんだぁ……」
大希君が人気なことぐらい知ってる。
でもこういう子を実際、目の前にすると、ライバルがいることを改めて実感する。
「澤田さんもお出かけ?」
「うん、これからお母さんに頼まれたおつかいにいくとこ」
「そうなんだ。気を付けてね」
「うん!!じゃ、また明日、学校でね!!」
音羽ちゃんは立ち去る寸前、私を睨んだ。
こ、怖い……。
「よし、行くよ」
「う、うん」
大希君は私の手を自然に握って、歩き始めた。