【完】大キライなキミに片想い中。




「それって、大希のことを好きって思う気持ちが薄れてるってことじゃないのか?」


「…………っ」


そう、だよね……。


「そんな中途半端な気持ちで大希のこと好きだって、胸張って言えるか?」


私のこの、大希君への好きはきっと友達として……なんだ。


「………ありがとう!翔希君!!」


私が微笑みかけると、翔希君は頬を赤らめた。


「ふんっ……お前がお礼言うとか気持ち悪い」


「はぁ!?翔希君だってお礼言ってたじゃん!!気持ち悪かった!!!」


「うっせぇーな、そんな大昔のこと忘れろ」


翔希君は意地悪なことを言うけど、ほんとは優しい。


「ほんとは私がお見舞いに来て嬉しいくせにー」


「は?んなワケねぇーだろうが!」


「ウソはよくないよ?」


「早く帰れクソ女」


ああ~~っ、もうムカつく!!


「じゃあ帰るからね!!バイバイ!!!」


私は荷物を持って平岡家を出た。
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