【完】大キライなキミに片想い中。
「……由愛ちゃん」
すると、音羽ちゃんが私の席までやってきた。
「昨日は……ごめんなさい」
「音羽ちゃん………」
「昨日、由愛ちゃんが大希君の家に行くことも、ペンダントが大希君からのプレゼントだってことも……席近いし、2人の会話が聞こえてたから……知ってたの」
音羽ちゃんは私の斜め後ろの席だ。
だから聞こえてたんだね……。
「ずっと由愛ちゃんのことが憎くて……昨日、偶然会って、きっと大希君の家の帰りなんだろうって思ったら怒りが込み上げてきて……思わずあんなことを……ほんとにごめんね」
「ううん!!私、音羽ちゃんが大希君が好きなんだって、薄々わかってたのにデリカシーのないこと言っちゃったから……私こそ、ごめんなさい」
「……私、絶対大希君に振り向いてもらえるような女の子になる!!由愛ちゃんみたいに」
そして、私と音羽ちゃんは握手を交わした。
「うん!私、音羽ちゃんのこと応援する!!」
「ありがとう!」
音羽ちゃんは可愛い笑顔をみせて、自分の席に戻っていった。