【完】大キライなキミに片想い中。
「………由愛」
涼花が呟くように私を呼ぶ。
「すごい展開になってきたね……」
「う、うん」
すると、大希君が教室に入ってきた。
「あ、大希君昨日は勝手に帰って……」
「昨日、翔希と何があったの?」
昨日、大希君に何も言わずに帰ったことを謝ろうとしたら、そう聞かれた。
「さっきの澤田さんのことも、何があったの?」
「それ、は………」
「アンタが澤田音羽の気持ちに気づかないから、由愛が酷い目にあったのよ」
涼花が言った。
「す、涼花!」
「昨日の帰り、澤田音羽にアンタがあげたペンダントを大きな噴水に捨てられて、それを翔希君が噴水に入って一緒に探してくれたの!それだけよ」
涼花は少し怒ってるみたい。