【完】大キライなキミに片想い中。




「俺、お前の相手してる暇なんてないから。じゃあな」


俺は零夜を無視して、由愛の手を引いた。


「翔希君……いいの?」


「あぁ。由愛は気にすんな」


「う、うん……」


はぁ……なんかめんどくせぇーことになってきたな。


「翔希君って中学の時はよく喧嘩してたの?」


由愛が首を傾げる。


「まぁ、な。この見た目じゃよく喧嘩売られるし、売られた喧嘩をバカみたいに買ってたからな。零夜とは特別よく喧嘩してた」


「そうなの?」


「零夜は負けず嫌いで、しかも唯一俺だけは倒せなかったからな。何回もリベンジしにきたけど結局勝てないまま、転校していった」


「で、またリベンジしにきたんだ……」


「そんな感じだな」


零夜の諦めの悪さにはビックリするわ、マジで。
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