【完】大キライなキミに片想い中。
本当の気持ちと決闘
あの日から1週間。
何となく翔希君と気まずくなって話さなくなってしまった。
というか、あんまり翔希君を見かけなくなった。
朝と放課後に翔希君が迎えに来ることはなく、放課後は零夜君が一緒に帰ってくれた。
キーンコーン―――
「由愛、一緒にご飯食べよー」
昼休みになり、涼花がお弁当を持って私に言った。
「涼花、今日は慧斗君と食べないの?」
「うん、由愛と話したいなって思って」
きっと、翔希君との関係のことだろう。
「いただきます」
手を合わせて食べ始める。
「ねぇ、翔希君と何があったの?」
涼花にはまだ話していなかった。
翔希君と空き教室に言ったあの日、涼花と零夜君は何も言わずに慰めてくれただけで、話すタイミングがなかった。
「実は、ね」
私はあの日のことをポツポツと話した。