【完】大キライなキミに片想い中。
「ほな、屋上に行くで」
「え、掃除は!?」
「そんなん、もうええやろ!十分キレイになったわ」
零夜君は強引に私の手を引いて屋上に向かった。
ガチャン―――
屋上の扉を開けた瞬間、涼しい秋の風が吹き抜けた。
「おー、めっちゃ涼しいなぁ」
「うん、そうだね」
「さ、後は翔希待つだけや」
零夜君は屋上の床に腕を組みながらあぐらをかいて座った。
私もその隣に座る。
その状態で時間は過ぎていき、10分、20分経った。
翔希君の家から学校は20分ぐらいだ。
だから来るとしたらもうすぐ、かな?
お願い翔希君、来てくださいっ!!!
そう、強く願ったときだった。
ガチャン―――
勢いよく屋上の扉が開かれた。