【完】大キライなキミに片想い中。




「……っ翔希君!!」


扉の向こうにいたのは私の大好きな、息を切らした翔希君だった。


「待たせたな、由愛」


来てくれたんだ……っ
私の目から涙が溢れた。


「由愛……ごめんな」


翔希君が私をぎゅっと抱きしめる。
1週間触れていないだけなのに、ものすごく久しぶりに触れた気がする。


「待っとったで、翔希。由愛のこと好きなんやったら俺と戦えや」


「悪いけど、俺はお前に由愛を渡す気ないから」


「じゃあ戦おうや。俺、由愛のこと本気で好きになったんや。由愛だって、喧嘩弱いような彼氏なんていらんやろ?俺に勝って由愛にいいとこ見せてみろ」


零夜君は真剣な目で翔希君を見つめる。


「………上等だ。勝ってやるよ」


「翔希君!?」


「大丈夫、俺は負けねぇーから」


翔希君の優しい笑顔にドキっとした。


「俺だって負ける気せぇへんわ」


零夜君は翔希君に襲い掛かった。
< 324 / 342 >

この作品をシェア

pagetop