【完】大キライなキミに片想い中。
「……っ翔希君!!」
扉の向こうにいたのは私の大好きな、息を切らした翔希君だった。
「待たせたな、由愛」
来てくれたんだ……っ
私の目から涙が溢れた。
「由愛……ごめんな」
翔希君が私をぎゅっと抱きしめる。
1週間触れていないだけなのに、ものすごく久しぶりに触れた気がする。
「待っとったで、翔希。由愛のこと好きなんやったら俺と戦えや」
「悪いけど、俺はお前に由愛を渡す気ないから」
「じゃあ戦おうや。俺、由愛のこと本気で好きになったんや。由愛だって、喧嘩弱いような彼氏なんていらんやろ?俺に勝って由愛にいいとこ見せてみろ」
零夜君は真剣な目で翔希君を見つめる。
「………上等だ。勝ってやるよ」
「翔希君!?」
「大丈夫、俺は負けねぇーから」
翔希君の優しい笑顔にドキっとした。
「俺だって負ける気せぇへんわ」
零夜君は翔希君に襲い掛かった。