【完】大キライなキミに片想い中。



ドン―――


鋭い音が耳に入る。


私は2人を止めることもできず、ただ見とくことしかできない。


すると、零夜君が翔希君のお腹に回し蹴りした。
翔希君はその場に倒れこむ。


「………っ翔希君!!」


「来るな……っ」


駆け寄ろうとした私を翔希君が止めた。


「っ」


翔希君は苦しそうにしながら立ち上がろうとする。


「翔希君……っ!!頑張って!!」


私は声を大きく張り上げた。


翔希君はハッとしたように立ち上がり、零夜君のみぞおちにパンチをきめた。


「うぅっ」


零夜君は倒れこんだ。


あのパンチは絶対痛いな……。


「翔希……お前にはやっぱり勝てねぇーわ……」


零夜君はそう呟いた。


もしかして……翔希君…っ勝った、の?
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