【完】大キライなキミに片想い中。
キーンコーン―――
大希君と話してると1時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴る。
「あ、授業始まる」
そう言って大希君は教科書類を準備し始めた。
「はい、じゃあ授業始めるぞ」
化学担当の先生が入ってくる。
「きりーつ」
委員長の掛け声で授業が始まった。
「早速、今日提出の課題集めまーす。今提出してない分は、点数引くからなー」
あ……よかった。
大希君に写させてもらってなかったら、絶対間に合ってなかった。
「大希君……ほんとにありがとう」
私は隣の席の大希君に言った。
「ふふ、何回もお礼言わなくていいよ」
「でも……」
「じゃあさ」
大希君が何か思いついたように言った。
「お礼、俺が頼んだことでもいいかな?」
「へ……?」
「お礼の内容、俺が考えてもいいかなって」
大希君、何か欲しいものとか私にどうしてもしてほしいことがあるのかな……?