【完】大キライなキミに片想い中。
アイツの好きなヤツ
【翔希サイド】
「翔希ー、大希あの美少女で有名な相川由愛って子といい感じらしいぜ?」
ある日、悠麻がそんなことを言ってきた。
俺の双子の兄貴、大希。
大希は俺より真面目で爽やかな青年、って感じのヤツ。
それに比べて俺は毎日ゆるーく、過ごしてるようなバカ。
中学の時なんてどんだけ比べられたことか。
俺はちょっと派手な格好のせいで喧嘩売られることが多々あって、その喧嘩をバカみたいに買ってたし。
今はそんなのがバカバカしく思えてきて、喧嘩売られても無視だけど。
多分俺に喧嘩で負けて、恨みを持ってるヤツは何人かいるだろう。
とにかく俺と大希は正反対だ。
別に、大希のことは嫌いじゃない。
でも好きってわけでもない。
大希はモテるけど全く恋愛とか今まで興味ない感じだった。
なのに……そんな大希に彼女ができそう?
しかも学校で有名な美少女と?
俺はほんの少し興味を持ち、大きく目を見開いた。