【完】大キライなキミに片想い中。
「相川由愛って誰?」
俺はクラスメイトもあんまりだけど、他のクラスのヤツなんてほとんど知らない。
「え、翔希、相川由愛って子知らないの!?あんなに可愛い子、滅多にいないよ!?」
「だって別に興味ねぇーし……」
俺、別に可愛い女がタイプじゃねぇーし。
「相川なら小学校のときから一緒だよ、俺。しかも涼花と仲良いし」
慧斗が言った。
「え、マジで!?なら相川由愛って子紹介してよ~っ!」
悠麻が慧斗にすがりつく。
「ヤダね。めんどくさいし」
「いいじゃん~!!ケチ」
悠麻は口をとがらせる。
相川由愛……か。
大希のこと、からかうのも面白いかもな。
俺は最初はその程度しか思ってなかった。
だから自分から相川由愛を探すわけでもなく、常に教室か屋上にいるってだけ。
そんな相川由愛をいちいち見に行くのもめんどくさい。
廊下で偶然会ったりしたら見ようかな、っていうぐらいの思いだった。