【完】大キライなキミに片想い中。
「……なぁ、悠麻」
「ん?」
「明日でいいから由愛ってヤツがどいつか教えてくんね?」
「うん、いいけど。翔希が女の子に興味もつなんて珍しいね」
まぁ、確かに俺は女と付き合ったこともないし、言い寄られても無視。
そんなどうでもいい女なんかと付き合って何になるんだっての。
てか、まず女に興味ない。
「大希が好きな女がどんなヤツか気になるだけ」
「ふぅーん、じゃ明日見に行こうぜ」
「おう」
大希の好きになった女……楽しみだな。
そして今日。
朝のホームルームが終わると悠麻が俺の席にやってきた。
「翔希ーっ!由愛ちゃん見に行こうぜ!!」
「んー……慧斗は?」
「あー、慧斗はまだ来てない。遅刻じゃね?いつものことじゃん」
慧斗、遅刻多すぎだろ。
慧斗は朝に弱くて結構遅刻が多い。
でも、遅れてでも絶対来るけどな。
「しかも慧斗連れてったら、由愛ちゃん、涼花ちゃんといるだろうし涼花ちゃんにくっついていきそうだし」
「あー、確かにな」
慧斗、彼女にゾッコンだもんなー。