【完】大キライなキミに片想い中。
「あれ、由愛ちゃんじゃん!」
………え、これが噂の相川由愛?
「翔希、この子が由愛ちゃんだよ」
悠麻が笑顔を俺に向ける。
こいつが相川由愛か……。
あんまり顔見えねぇーけど、細くて小さい女子だな。
「ほんとにごめんなさいっ!!!!」
相川由愛は散らばった教科書を慌てて拾って、去って行った。
「由愛ちゃん、行っちゃった……」
「…………」
「翔希が脅かすのが悪い!」
「はぁ?俺、別に脅かしてねぇーし」
悠麻は不満そうに口をとがらせる。
「も~っ!由愛ちゃんと話したかったのに!!」
「うるせぇーなぁ……」
俺のせいじゃねぇーだろ。
もうすぐチャイム鳴るし、アイツも慌ててただけだろ。
………まぁ、一切目合わなかったけど。
「……教室戻るぞ」
「うー……」
そして教室に戻った。