【完】大キライなキミに片想い中。
「おい、翔希。相川が困ってるだろ」
「大希君……っ!」
大希君は翔希君に向かって言った。
「翔希、何しにきたんだよ」
「別に。由愛を気に入ったから会いにきただけだけど?」
はぁ?気に入った!?
「それに、大希がクラスのヤツといい感じって聞いたから……由愛のことだろ?」
この人は何を言っているんだろう。
それ、私のことじゃないと思うけどなぁ……。
「お前には関係ないだろ」
大希君がはっきりとした口調で言う。
「大希には悪いけど、由愛のこと気に入っちゃったから」
そう言って翔希君が私を抱き寄せる。
その瞬間、教室中に「キャーッ!!!」という黄色い声が響きわたる。
「ちょ、翔希君離して……っ!」
抵抗するけど全く離してくれない。
「大希とはライバルになちゃったりして、ね?」
翔希君はニヤリと笑う。
ちょっと、これどういう状況!?
頭がついていかないんだけど……。