恋人たちのパンドラ【完】
「で、お話ってなんですか?」

早く話を済ませようと単刀直入に言う。

「結婚しなさい。この子と・・・」

そう言って机の上に置いてあるお見合い写真をすっと差し出してきた。

「はっ、いきなりすぎじゃないですか。まだ会ってもいないのに!」

思わず愚痴がこぼれる壮介を美津子が鋭い目でにらむ。

「今週末にでも食事にでも誘いなさい。年内に結納だけでもすませるように」

そういって、席を立とうとする。

「ちょっと待って下さい。結婚相手は自分で決めます。お見合いはしません」

写真も見ずに付きかえす。
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