恋人たちのパンドラ【完】
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壮介は車を走らせて、知らず知らずのうちに悠里のマンションの前まで来ていた。

連絡をしても悠里が応対するかどうかわからない。会えるかどうかわからないが、気が付いたら車がここに向かっていた。

路上に車をとめ、ハンドルに顔をうずめるようにして大きく息をはいた。

ふと顔を上げると、コンビニの袋だろうか、ビニル袋を手にした悠里が歩いてくるのが見える。

悠里の顔を見た途端今まで荒れ狂っていた海のような胸の内がすっと収まるのがわかった。

デニムにコットンシャツを羽織って、ふらふら歩いているように見えた悠里が急にしゃがみこんだ。

膝を抱えたまま動かないその姿をみて、壮介は思わず車から飛び出していた。
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