恋人たちのパンドラ【完】
部屋の前に着くと、悠里のデニムのポケットからクマのキーホルダーを探し出し、鍵を開けて中に入った。
初めて入る悠里のマンションは、留学時代に買いそろえたのかドイツのファブリックや木でできたオブジェなどが飾られていた。
部屋の隅に見つけたベッドにそっと悠里をおろすと、靴を脱がす。
悠里は腕を顔にあてたままで表情は確認できないが、かなり辛そうだ。
悠里の腕をどけて壮介は手のひらを悠里の額に当てる。
「少し熱もありそうだな。病院は?」
そう尋ねる壮介に悠里は首を横に振った。
「今から連れて行ってやろうか?探せば今からでも見てもらえる病院あるだろ?」
「ん、大丈夫。ちょっと疲れてるだけ。それより―――」
「ん?」
初めて入る悠里のマンションは、留学時代に買いそろえたのかドイツのファブリックや木でできたオブジェなどが飾られていた。
部屋の隅に見つけたベッドにそっと悠里をおろすと、靴を脱がす。
悠里は腕を顔にあてたままで表情は確認できないが、かなり辛そうだ。
悠里の腕をどけて壮介は手のひらを悠里の額に当てる。
「少し熱もありそうだな。病院は?」
そう尋ねる壮介に悠里は首を横に振った。
「今から連れて行ってやろうか?探せば今からでも見てもらえる病院あるだろ?」
「ん、大丈夫。ちょっと疲れてるだけ。それより―――」
「ん?」