恋人たちのパンドラ【完】
「ひかり園の子たちは小さいながらも色々抱えてあそこにいるでしょ？でも本当に瞳の奥は綺麗で澄んでる。そう思わない？」

そう言って、壮介の顔を覗き込んだ悠里を直視できずに思わず顔をそむけてしまう壮介。

（悠里の目に、こんな俺の瞳は何色に映ってるんだろうな・・・）

悠里からそらした視線を窓の外に向けてふと考える。

悠里もカップを持ったまま一緒に目線を窓の外に移した。

ふと思い出したように悠里が

「でも壮介も子供好きでしょ？園でも大人気だもんね。ちょっと妬けちゃう」

カップに手を添えたままで、くるんとした睫毛をあげて壮介を見る悠里は歳よりもいくぶんか幼くみえた。

「そうだな。子供は好きだな。だから悠里と俺の子供だったら何人でも欲しい」

頬杖をついて、魅惑的な目で悠里に問いかけるように言う壮介をみて、悠里は顔を真っ赤にした。

「そ、そんな。あのもうちょっと待ってね,ね。」

そう言ってその瞳から逃げようとした。

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