恋人たちのパンドラ【完】
「もう少し、このままここにいて」
悠里のうるんだ瞳が壮介の瞳を捕えた。
「ん。わかった。ここにいるよ」
そう言って、悠里の白い小さな手を壮介の大きく暖かい手で包んだ。
「ありがとう」
一言そう呟くと、目をつぶりしばらくすると「すーすー」と言う寝息が聞こえて来た。
壮介は眠る悠里の頬をそっと撫でた。
顔色はまだ悪いが、横になった分先ほどより幾分ましになった気がする。
「意地張ってないで俺のところにくればいいのに」
そう呟いたものの、そばにいてほしいと強く思っているのは壮介のほうだった。
今日のような、自分の深い闇の部分と向き合った後には悠里をただ見つめるだけで心が落ち着く。
自分が自分でいられるようにその均衡をたもってくれているのが悠里の存在だと改めて感じる。
「もう諦めて、俺の胸に飛び込んでくれ」
思わず壮介は寝ている悠里に切ない声で懇願していた。
悠里のうるんだ瞳が壮介の瞳を捕えた。
「ん。わかった。ここにいるよ」
そう言って、悠里の白い小さな手を壮介の大きく暖かい手で包んだ。
「ありがとう」
一言そう呟くと、目をつぶりしばらくすると「すーすー」と言う寝息が聞こえて来た。
壮介は眠る悠里の頬をそっと撫でた。
顔色はまだ悪いが、横になった分先ほどより幾分ましになった気がする。
「意地張ってないで俺のところにくればいいのに」
そう呟いたものの、そばにいてほしいと強く思っているのは壮介のほうだった。
今日のような、自分の深い闇の部分と向き合った後には悠里をただ見つめるだけで心が落ち着く。
自分が自分でいられるようにその均衡をたもってくれているのが悠里の存在だと改めて感じる。
「もう諦めて、俺の胸に飛び込んでくれ」
思わず壮介は寝ている悠里に切ない声で懇願していた。