恋人たちのパンドラ【完】
***

壮介は自分の車を運転しながら頭をフル回転させていた。

悠里のマンションにも寄ったが、案の定引越しまでしてもぬけのからだ。

調査書には母親は再婚していて、今は隣の県に住んでいることは分かっている。連絡先もすぐにわかるが、もしそこに悠里が不在でしかもこの状況を母親が知らない場合、話がややこしくなる。

会社にも理由を話していないことを鑑みると家族にも話していない可能性が高い。

そうなれば・・・

壮介が思いつくのはあの場所しかなかった。
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