恋人たちのパンドラ【完】
「んー結構待ってるんだけど。何も野球チームって言ってるわけじゃないし」

「野球チームはちょっと・・・バスケぐらいなら」

「補欠入れたら何人になるかな?」

そう意地悪く言う壮介の足を、テーブルの下で軽く蹴った。

「いてっ。冗談だよ。だけどそろそろ我慢も限界がきそう。だから来月の悠里の誕生日には俺が悠里をもらう」

「私の誕生日なのに壮介がもらうの?」

なんだか腑に落ちない悠里だったが

「俺がちゃんと愛を沢山あげるから。ね」

楽しそうに笑う壮介には何を言ってもかなわないとその時悠里は悟った。

「それとも他に欲しいものある?クマの人形?」

からかうように壮介が顔を覗き込む。

「もう、意地悪言わないで。私にとっては大事なものなの」
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