恋人たちのパンドラ【完】
「では、明日の午後一時にこちらまでお越しください。住所を申し上げますのでタクシーで。

もちろん支払はこちらでいたしますので」

どこかその馬鹿にしたような物言いに悠里は眉根を寄せた。

「いいえ、住所だけ教えていただければ十分です」

そういって、住所をメモし電話を切った。

壮介の母親はどんな話だろうか、不安になった悠里は再度胃からせり上がってくる吐き気に耐えきれずにトイレへと駆けこんだ。

< 144 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop