恋人たちのパンドラ【完】
「うっ、ごほっ、すいません。お手洗いを」

そう青い顔をしてソファを立った悠里に、目を見開いた美津子が声をかける


「あなた、まさか・・・いえそんなことあるはずないわ!川端!川端∸―!」

美津子は川端を呼び、

「あなた、あの調書どうなってるのよ!」

と金切声をあげた。

静かだが急いでその場に戻った川端は、

「奥様失礼します――」

と声をかえて悠里を洗面と誘導した。

「こちらをお使いください」

そう案内されて悠里は急いでトイレへと駆け込み、今まで我慢してきたものを、悲しみと一緒にはきだした。

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