恋人たちのパンドラ【完】
(5)新たな真実
「―――くっそ!」
専務室では壮介が電話の受話器をガシャンと叩きつけた。
叩きつけられた電話から、受話器が外れ、机の下へと落ちコードかろうじて床にはついていなかった。
あの日から昼間は仕事、時間を見つけては悠里をありとあらゆる手で探していたがなかなか見つからなかった。
ほとんど眠っていなかった壮介の顔には疲労の色が深く刻まれており、眉間のしわが何よりもその苦悩を物語っていた。
(いったいどこに消えたんだ―――悠里)
ついこの間やっと、この腕に抱きしめていたのに、体中を悠里で満たして幸せに浸ったあの日がまるで嘘だったかのように、壮介の心は疲弊しささくれだっていた。
こんなときに限って、どうしても実家に取りに戻らなければならない資料がある。
壮介は重い腰をあげて自らの運転で実家に向かった。
専務室では壮介が電話の受話器をガシャンと叩きつけた。
叩きつけられた電話から、受話器が外れ、机の下へと落ちコードかろうじて床にはついていなかった。
あの日から昼間は仕事、時間を見つけては悠里をありとあらゆる手で探していたがなかなか見つからなかった。
ほとんど眠っていなかった壮介の顔には疲労の色が深く刻まれており、眉間のしわが何よりもその苦悩を物語っていた。
(いったいどこに消えたんだ―――悠里)
ついこの間やっと、この腕に抱きしめていたのに、体中を悠里で満たして幸せに浸ったあの日がまるで嘘だったかのように、壮介の心は疲弊しささくれだっていた。
こんなときに限って、どうしても実家に取りに戻らなければならない資料がある。
壮介は重い腰をあげて自らの運転で実家に向かった。