恋人たちのパンドラ【完】
壮介は美津子のもとにある封筒を手にすると中身を覗いた。

「こんな小切手まで・・・・あなたは一体悠里に何を言ったんだ?何をしたんだ?もし、悠里とおなかの子に何かあってみろ、お前を一生許さないからな」

いつもは氷のような冷たい視線しか向けてこない壮介が怒りにまかせて熱い視線で美津子を睨みつけ、踵を返した。


(悠里――いったいどこにいるんだ。どうか無事で俺の腕の中にもどってきてくれ)

壮介は届くこともない思いを、心の中だけでも叫ばずにはいられなかった。

(―――消印は四国か・・・・)

壮介は、この封筒を手にあの人物を訪ねる決心をした。



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