恋人たちのパンドラ【完】
悠里はできるだけ自然に笑顔を作った。

きっと壮介にはそれが本当の笑顔でないことなどすぐにばれただろう。

しかし、悠里は笑顔を崩さず話を続けなければならなかった。

「何か、勘違いしているようだけどおなかの子は私の子で、他の誰の子でもないわ」

「悠里・・・」

「壮介の子じゃない。私の子よ!」

そういって、笑顔が限界だった悠里は壮介の腕からにげだした。

「何を言ってるんだ。間違いなく俺の子だろ?」

壮介が悲しい視線を悠里に向ける。

しかし悠里は今回もかたくなだった。
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