恋人たちのパンドラ【完】
「悠里、きちんと話を聞いてくれ。

―――俺をいつまでも哀れな男にしないでくれ」


そのセリフを聞いて悠里は、‘はっ’と顔をあげた

「そんなつもりないわ。これは私の問題だから―――」

「二人の問題だろ?」

壮介の声が一段と大きくなる。

そして悠里の両手をギュッと握った。

「悠里はいつもどういう思いで俺から逃げるんだ?

お前がいなくなることで俺がどれだけダメージあたえられているか分かってるのか?

いつも自分一人で考えて、行動していつも俺はお前のことが分からないまま一人にされる。

俺の気持ちはどうなるんだ。

一緒にいたいんだ。ただそれだけなんだ」

「だってそれじゃ壮介が・・・」

「俺は9年前と同じ思いはしたくないんだ。

お互いきちんと話をしよう。

お前のことだ、俺のためを思って色々してくれてるんだろう。

だけど、それが俺をどれだけ苦しめているのか分かるか?」
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