恋人たちのパンドラ【完】
***
二人はしばらく抱き合ったあと、個室のドアをノックする音でやっと離れた。
ウェイターが
「小池様よりコース料理を2名様分ご予約いただいております。
妊婦さんがいらっしゃるのでお酒は提供しないようにと伺っていますが、よろしいでしょうか?」
兄の仁から二人へのサプライズだった。
二人は兄のこの計らいが自分たちに対する『許し』のような気がしてうれしかった。
普通なら向かい合って食べるのだが、壮介は悠里の隣に座り食事中も手をつないだり肩に腕を回したり四六時中悠里に触れいていた。
「壮介、ちゃんと食べよう。おいしいよ?」
悠里はやんわりと壮介の行動を諌めようとするが、壮介は悠里の言うことなど聞いていなかった。
「ん。このままで」
そうやって食事中の悠里の髪を一房とって口付けた。
二人言葉は多くなかったが、言葉以上のものが二人の間には流れていた。
二人はしばらく抱き合ったあと、個室のドアをノックする音でやっと離れた。
ウェイターが
「小池様よりコース料理を2名様分ご予約いただいております。
妊婦さんがいらっしゃるのでお酒は提供しないようにと伺っていますが、よろしいでしょうか?」
兄の仁から二人へのサプライズだった。
二人は兄のこの計らいが自分たちに対する『許し』のような気がしてうれしかった。
普通なら向かい合って食べるのだが、壮介は悠里の隣に座り食事中も手をつないだり肩に腕を回したり四六時中悠里に触れいていた。
「壮介、ちゃんと食べよう。おいしいよ?」
悠里はやんわりと壮介の行動を諌めようとするが、壮介は悠里の言うことなど聞いていなかった。
「ん。このままで」
そうやって食事中の悠里の髪を一房とって口付けた。
二人言葉は多くなかったが、言葉以上のものが二人の間には流れていた。