恋人たちのパンドラ【完】
「一緒に暮らそう、悠里」

そういって、悠里の手に渡されたのは、クマの刺繍が施してる赤ちゃんのシューズだった。

「男か女か分からなかったから、とりあえず黄色で・・・」

恥ずかしそうに自分の足元を見ながら話す壮介。

返事をなかなかしない悠里に痺れを切らせて顔を‘ガバッ’と上げて

「YES しか選択肢ないから!」

そう言って悠里を見ると、目に涙をためて壮介を見つめていた。

丸い瞳からみるみる涙が盛り上がり、表面張力で持っていたそれが、ホロリと落ちた時

「よろしくお願いします」

と泣き笑いの顔を浮かべて返事をした。

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