恋人たちのパンドラ【完】
***

お風呂で倒れるといけないからと、一緒にバスルームに入ろうとする壮介を何とかなだめて悠里はお風呂に入り、後からシャワーを浴びた壮介にうながされて、寝室へと足を運んだ。

妊婦用のパジャマを身に付けた悠里は、普通の服の時よりもおなかが一層大きく見えた。

ベッドに腰かけると、横に座った壮介に

「触っていいか?」

と聞かれ

「もちろん、だってあなたの子供だもの」

そう答えて、壮介の手をお腹に誘導した。

「おーい。聞こえてるか?で、どっちなの男?女?」

「男の子よ。どっちがよかった?」

「どっちでもいいけど、あーやっぱ女の子がいいかな。男の子だと悠里独占されたらやきもちやきそう」

「もう!馬鹿なこと言わないでっ!」

おなかを撫でながら、おなかの中のベビーに話しかける壮介の姿をみて、悠里は胸がいっぱいになった。
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