恋人たちのパンドラ【完】
「ん、もう壮介!」

何とか腕から逃れようと努力する悠里だったが、この上ない甘い拘束になかなか逆らえないでいた。

「あーやばい。赤ちゃん生まれるまでできないんだよな?」

それが何を意味しているのか悠里はとっさに理解して

「あーと、あの、その、そんなことないみたいだよ?」

医師からはそのあたりの説明もされているので、壮介に隠す必要はないのだけど

「え?まじで?俺昨日どんだけ我慢したと思ってるの?わざとだろ!わざと黙ってたな?」

いきなり脇腹をくすぐりながら悠里を責め始めた壮介だったが

「くすぐったいよ!でも初めて壮介に見てもらうのに、大きなおなかを見られるのも、手術の跡を見られるのも恥ずかしいら」

そう続けた悠里に
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