恋人たちのパンドラ【完】
壮介の部屋の冷蔵庫には見事に何もなく、悠里はコーヒーを壮介に入れると自分にハーブティを入れて二人で向かい合って飲んだ。

「何か食べたいものある?」

「悠里」

「もう!ちゃんと答えて!」

「ちゃんと答えてるよ。料理うれしいけど無理しなくていい。買い物もその身体じゃ大変だろ?」

会議で使うのか資料に目を通しながらコーヒーを飲む壮介はパリッとスーツを着こなし、それだけで素敵に見えた。

「でも、運動もしないと体重増えると怒られるんだよ」

そういって

「無理しないように、四国の叔母さんへはもう連絡してあるから。荷物は送ってくれるって」

「壮介が電話したの?」

「あぁ。もうお前を帰すつもりなんてなかったから、前もって色々準備してたんだ」
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