恋人たちのパンドラ【完】
「探そうと思えば探し出しただろう。
だけど私はそれをしなかった。
これが彼女の出した答えなら受け入れようと、次に彼女の所在を知った時は交通事故で亡くなったあとだったよ」
苦しそうに眉根を寄せて話す泰三の心情を思うと胸が苦しくなった。
「それと、同時に壮介の存在も知った」
視線を壮介に移して、話を続ける。
「決して裕福な暮らしはしてなかっただろう。
だけど出会った頃の彼は利発で生き生きとしていた。
笑顔が愛した彼女そっくりでそれを見るたび、胸が苦しくなったよ」
当時を思い出しながら話しているのか、表情は悠里が思っていた‘壮介の父親’とはかけ離れていた。
「罪滅ぼしにもならないだろうが、どうしても壮介を手元に置きたかった私は、妻を説得して彼を引き取った。
それが彼のためになると信じていたから」
「そうでしょうね。自分の子供ですから・・・・」
だけど私はそれをしなかった。
これが彼女の出した答えなら受け入れようと、次に彼女の所在を知った時は交通事故で亡くなったあとだったよ」
苦しそうに眉根を寄せて話す泰三の心情を思うと胸が苦しくなった。
「それと、同時に壮介の存在も知った」
視線を壮介に移して、話を続ける。
「決して裕福な暮らしはしてなかっただろう。
だけど出会った頃の彼は利発で生き生きとしていた。
笑顔が愛した彼女そっくりでそれを見るたび、胸が苦しくなったよ」
当時を思い出しながら話しているのか、表情は悠里が思っていた‘壮介の父親’とはかけ離れていた。
「罪滅ぼしにもならないだろうが、どうしても壮介を手元に置きたかった私は、妻を説得して彼を引き取った。
それが彼のためになると信じていたから」
「そうでしょうね。自分の子供ですから・・・・」