恋人たちのパンドラ【完】
自然に涙が流れた。

どうしてこの二人は不器用にすれ違ってしまったのだろう。

親と子とはこんなにもうまくいかないものなのだろうか?

悠里がそんな風に思っていると

「お前が泣かなくてもいいだろ・・・」

掠れた声が聞こえて、悠里は振り返る

「壮介!大丈夫?痛いよね。あー看護婦さん・・・」

「いいから落ち着け」

そういって、あたふたする悠里の手を壮介がトントンとした。

悠里は今一度椅子に腰かけると、壮介の顔を見た。

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