恋人たちのパンドラ【完】
「誰が年寄りだ。俺はまだまだ現役だ!」

そう言いながら、襖をあけて泰三が入ってきた。

悠里が席を立とうとすると、

「そのままで、妊婦さんが気を使わないでいいよ」

そういって、にこやかに笑い席についた。

「今日は、壮介が可愛い奥さんを紹介してくれるっていうから楽しみに来たんだ」

おしぼりで手を拭きながら、一緒に入ってきた女将にビールを頼み、悠里にはオレンジジュースを頼んでくれた。


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