恋人たちのパンドラ【完】
「奥さん・・・」

思わず頬を染めて呟いた悠里の一言を泰三が聞いていて

「奥さんだろ、な?壮介」

そう言って壮介がするいたずらっ子の顔と同じ表情を作った。

やっぱり親子なんだな、と悠里は心の中で思わず微笑んだ。

「徳永 悠里さん。来月には 碓井になるけど」

そう言って簡単に紹介されたので悠里は頭を下げた。

「壮介の――父です」

一瞬間が空いたような気がした。

食事が運ばれてきて、箸をつけながら話をしていた。


そこに

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