恋人たちのパンドラ【完】
「美津子いい加減にしなさい。君が責めるのは、壮介や悠里さんじゃない。私だろ?」
そう言って机の上で手を組んだ。
「あなたは黙っていて。もとはと言えばあなたがどこの馬の骨かもわからない女に溺れるから!」
「彼女を侮辱するのは許さない!」
急に大きな声をあげた泰三に一堂は押し黙った。
「私をせめるのはいくらでも責めたらいい。でも彼女だけは、壮介の母親のことは悪く言うな、決して許さないぞ」
‘ドン’と机を叩いて叫んだ泰三をみて美津子は目に涙をためた。
「あなたは―――あなたはまだあの女のことをかばうんですね。もう死んで何年たってると思ってるんですか?その間私がどんな思いで、あなたを―――」
そう言い残して美津子はその場を去って行った。
そう言って机の上で手を組んだ。
「あなたは黙っていて。もとはと言えばあなたがどこの馬の骨かもわからない女に溺れるから!」
「彼女を侮辱するのは許さない!」
急に大きな声をあげた泰三に一堂は押し黙った。
「私をせめるのはいくらでも責めたらいい。でも彼女だけは、壮介の母親のことは悪く言うな、決して許さないぞ」
‘ドン’と机を叩いて叫んだ泰三をみて美津子は目に涙をためた。
「あなたは―――あなたはまだあの女のことをかばうんですね。もう死んで何年たってると思ってるんですか?その間私がどんな思いで、あなたを―――」
そう言い残して美津子はその場を去って行った。