恋人たちのパンドラ【完】
「悠里は今診察終えたばかりなんだ。手荒なことや大声はやめてくれ」

そう低い声で男が言った言葉に壮介は直ぐに反応した

「はっ、悠里って。下の名前で呼ぶような関係なのかよっ!」

言い捨てるような壮介の言葉に、男はますます顔を歪める。

「君こそ失礼だぞ、いきなり―――」

「なにがいきなりなもんか、それはこっちの台詞だ。どうして悠里とお前が一緒にいるんだよ。どうして二人で産婦人科何かになんの用事があるんだ!」

一気にまくしたてた壮介の言葉に、悠里の顔が一瞬にして青ざめた。

「ど、どうしてそれを・・・・」

震える唇でやっと声を搾り出す悠里。

そんな悠里を思いやることもなく壮介は一気にまくし立てた。
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