恋人たちのパンドラ【完】
「ここまで来るのに、ずいぶん遠回りしたな」

「うん」

「でもこれからはずっと一緒だな。手を伸ばすとそこに幸せがあることなんてなかったから、不思議な感じだ」

そういって悠里の髪に顔をうずめた。

悠里は何も言わずに、抱きしめられた壮介の腕に自らの手を添えた。

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