恋人たちのパンドラ【完】
エピローグ~パンドラの箱~
「ママ、パパどうしたの?」

そう尋ねる光に悠里は唇の前で人差し指を立て‘シー’っとした。

3歳になった光は、父親に似ずに母親の悠里に似ていた。

そんな息子が可愛くて仕方ない壮介だったが、毎度毎度悠里を独占されていて、そこに対しては

「男同士正々堂々としよう!」

と3歳の息子に向かってライバル宣言をしてしまうほどやきもちを焼いていた。

そんな壮介だったが、今は悠里の膝枕で悠里の腰に手をまわしたまま眠っていた。

「お仕事で疲れてるの。赤ちゃんの音聞いてたらそのまま眠っちゃったみたいね」

そう言って、光に話す。

「そっか・・・。じゃあ今日は光のママ、パパに貸してあげる、貸しだね」
「光、そんな言葉どこで知ったの?」

くすくすと笑い、壮介の髪をそっと梳かす。
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